ペットを乗せている車が、けもの臭い。
掃除機で毛を取った。消臭スプレーもかけた。それでも臭う。
先に、いちばん大事なことを書きます。
けもの臭の正体は、毛ではありません。
毛そのものは、ほとんど無臭です。臭いの元は、毛に付いている皮脂と、唾液、そして排泄物の微量な残留です。
だから、毛を全部取っても臭いは消えません。取るべきものが違うからです。
そして、もうひとつ。
犬と猫では、原因の比重が違います。
犬は皮脂が中心、猫は唾液と尿が中心になりやすい。発生源が違えば、効く洗剤も変わります。
この記事では、けもの臭を発生源ごとに分けて、それぞれの落とし方を書きます。
あわせて、ペットがいる車で使ってはいけない洗剤についても触れます。車内は、ペットが直接舐める場所です。家の掃除と同じ感覚で薬剤を使うと、危険な場合があります。
1. けもの臭の正体は、3つに分かれる
「けもの臭」とひとくくりにされますが、成分が違うものが混ざっています。
| 発生源 | 何が臭うか | 性質 | 効くもの |
|---|---|---|---|
| 皮脂 | 酸化した脂 | 酸性 | アルカリ性(セスキ) |
| 唾液 | 分解した有機物 | ほぼ中性 | 中性洗剤、酵素系 |
| 尿(直後) | まだ分解されていない | 弱酸性 | アルカリ性(重曹・セスキ) |
| 尿(時間が経過) | アンモニア | アルカリ性 | 酸性(クエン酸) |
注目してほしいのは、いちばん右の列です。
皮脂にはアルカリ性。尿は、直後なら重曹、アンモニア臭が出てからはクエン酸。
同じ「尿」でも、時間で使うものが逆になります。
つまり、1種類の洗剤で全部を落とすことはできません。「ペット用消臭剤」を1本使って解決しない場合、これが理由であることがあります。
皮脂
犬猫の皮膚からは、常に皮脂が出ています。
そして、毛はその皮脂をまとっています。車内に落ちた毛が臭うのは、毛自体ではなく、付着した皮脂が酸化するためです。
さらに、体がシートに触れることで、皮脂が直接布に移ります。これが蓄積の本体です。
唾液
見落とされやすい発生源です。
犬は舐めます。猫はグルーミングで全身に唾液を塗り広げています。
唾液が乾くと、そこで細菌が繁殖します。濡れたタオルを放置したときと同じ現象が、被毛の上で起きています。
車内では、口が触れた場所(窓、シート、シートベルト)に付きます。
尿・排泄物
粗相があった場合はもちろんですが、それだけではありません。
足の裏に微量に付いて、車内に持ち込まれます。散歩の後、トイレの後。マットや足元に蓄積します。
アンモニア臭は、乾いた後に強くなります。そして湿度が上がると、また立ち上がります。
2. 犬と猫で、比重が違う
同じ「けもの臭」でも、犬の車と猫の車では原因の割合が違います。
| 犬 | 猫 | |
|---|---|---|
| 皮脂 | 多い。主な原因になりやすい | 犬より少ない |
| 唾液 | 舐める、よだれ | グルーミングで全身に付く |
| 尿 | 散歩時の足裏、粗相 | 濃度が高く、臭いが強い |
| 口臭 | 歯石があると強い | 同様 |
| 乗車時の状態 | 興奮・車酔いでよだれが増える | ストレスで排泄することがある |
犬の場合、皮脂が中心になりやすい
犬は皮脂の分泌が多い動物です。特に脂漏性の体質や、脂の多い犬種では顕著になります。
そして、興奮すると体温が上がり、皮脂の分泌も増えます。車に乗ると興奮する犬は多いので、車内はもともと条件が悪い場所です。
さらに、車酔いでよだれが増えます。シートベルトやシートに、大量の唾液が付きます。
対処の中心は、アルカリ性(セスキ)での皮脂の除去になります。
猫の場合、唾液と尿が中心になりやすい
猫は起きている時間の多くをグルーミングに使います。その唾液が被毛全体に付き、乾いて臭いになります。
そして、猫の尿は濃度が高く、臭いが強いという特徴があります。少量でも残ると、はっきり分かります。
ストレスで排泄してしまうこともあります。猫にとって車移動は負担が大きいので、キャリーの中で粗相が起きることは珍しくありません。
対処の中心は、酸性(クエン酸)でのアンモニア臭の中和になります。
判定
どちらが主かは、匂いの質で見分けられます。
- 脂っぽい、こもった臭い … 皮脂
- ツンとする、アンモニア臭 … 尿
- 生乾きのような臭い … 唾液と雑菌
匂いの種類を言葉にしてみてください。それだけで、使う洗剤が決まります。
3. どこに溜まるか
毛が落ちている場所と、臭いが溜まる場所は違います。
| 場所 | 何が溜まるか |
|---|---|
| シートの座面 | 体が触れる。皮脂がいちばん移る |
| シートの背もたれ | 同上 |
| シートの隙間 | 毛、フケ、食べかす |
| フロアマット | 足裏からの汚れ、尿の微量残留 |
| ドアの内張り | 前足をかける場所。皮脂と唾液 |
| 窓ガラス | 鼻と口。唾液の跡 |
| シートベルト | よだれ |
| 荷室(ラゲッジ) | ケージを置く場所。いちばん濃くなりやすい |
| エアコン内部 | 毛とフケを吸い込む |
荷室は見落とされやすい
犬をラゲッジに乗せている場合、そこがいちばん濃い場所になります。
ケージやマットの下を見てください。抜け毛、フケ、こぼれた水、よだれが溜まっています。
そして、荷室は普段開けない場所です。閉じたまま夏を越すと、内部で分解が進みます。
エアコンも吸い込んでいる
毛とフケは、エアコンにも吸い込まれます。
フィルターに溜まって、そこで湿気と混ざります。「エアコンをつけると獣臭い」という場合は、フィルターを見てください。
→ 車のエアコンが最初だけ臭う原因|進行の4段階と自分で止める方法
4. 発生源別の落とし方
順番があります。乾いた汚れが先です。
手順1:毛とフケを徹底的に取る
臭いの元は皮脂ですが、その皮脂は毛に付いています。まず毛を減らします。
道具の使い分け:
- ゴム手袋をはめて、乾いた手で撫でる … 静電気で毛が集まります。掃除機より取れることがあります
- ラバーブラシ … 繊維に刺さった毛をかき出します
- 粘着ローラー … 表面の毛
- 掃除機(ブラシノズル) … かき出した後に吸う

順番は、かき出してから吸う。いきなり掃除機をかけても、刺さった毛は取れません。
毛の取り方の詳細はこちらに書いています。
→ 車のシートの犬の毛の取り方|毛質で変わる方法と、臭いが残る理由
手順2:皮脂を落とす(アルカリ性)
セスキ炭酸ソーダを、水500mlに小さじ1杯。
- クロスに吹いて、固く絞る(シートに直接吹かない)
- 押し当てて30秒待つ
- 叩き拭きで移し取る
- 水拭きでセスキを回収する
- 乾かす
4を省かないでください。アルカリ成分が残ると、ペットが舐めます。
手順3:尿の臭いを中和する
まず、いつの尿かを確認してください。使うものが変わります。
| 状態 | 性質 | 使うもの |
|---|---|---|
| 直後。まだアンモニア臭がしない | 弱酸性 | 重曹水(水200mlに小さじ1杯) |
| ツンとするアンモニア臭がある | アルカリ性 | クエン酸(水200mlに小さじ1杯) |
出たばかりの尿は弱酸性です。時間が経つと、細菌が尿素を分解してアンモニアを出し、アルカリ性に傾きます。
だから「尿にはクエン酸」と一律に覚えると、直後の粗相には合いません。
判断は匂いでできます。ツンとくるなら、もうアルカリ性に傾いています。
手順は皮脂と同じで、クロスに吹いて叩き拭き、水拭きで回収します。
尿は染み込んでいる範囲が広いので、見えている範囲より広めに処理してください。
手順4:乾かす
ドアを開けて風を通します。
濡れたまま閉め切ると、今度はカビの条件になります。ペットの毛とフケは有機物なので、カビのエサとしても優秀です。
手順5:仕上げに消臭剤(必要なら)
汚れを落とした後にだけ使ってください。
発生源が残っている状態で消臭剤を使っても、消した先から供給されます。
→ 車内消臭のやり方|市販品4タイプの違いと、臭い別の選び方
5. ペットがいる車で、使ってはいけないもの
この章は、他の場所より慎重に読んでください。
車内は、ペットが直接舐める場所です。シート、床、自分の足。残った薬剤は、そのまま口に入ります。
以下は一般的に注意が必要とされているものです。ペットの体調や、実際の危険性については獣医師に相談してください。
精油(アロマオイル)を含む製品
特に猫がいる場合は避けてください。
猫は一部の成分を代謝する能力が低いことが知られていて、精油の成分が体内に蓄積しやすいとされています。ティーツリー、ユーカリ、柑橘系などが、しばしば注意対象として挙げられます。
「天然由来」「植物成分」と書かれていても、安全という意味ではありません。
芳香剤、消臭スプレー、洗剤の香り成分に含まれていることがあるので、成分表示を確認してください。
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)
残留すると危険です。そして、車内では十分にすすげません。
生地の色も抜けます。車内では使わないでください。
強いアルカリ性の洗剤
セスキ程度なら水拭きで回収できますが、業務用の強アルカリは避けてください。
皮膚と粘膜への刺激が強く、ペットが舐める場所には向きません。
フェノール類を含む消毒剤
一部の消毒剤に含まれます。猫では特に注意が必要とされる成分です。成分表示を確認してください。
エタノールを大量に使う
揮発するので残りにくいという利点はありますが、乾く前に舐めると問題になります。
使うなら、ペットを乗せる前に完全に乾かしてください。
安全側に倒すなら
中性洗剤・セスキ・クエン酸の3つで、この記事の作業はできます。
いずれも水拭きで回収できるものです。回収を丁寧にやることが、いちばんの安全対策になります。
そして、作業後は必ず乾かしてから乗せてください。
6. 毛を取るだけでは臭いが消えない理由
掃除機で毛を全部取ったのに臭う、という状態について書きます。
皮脂は、すでに布に移っている
毛は、皮脂を運ぶ乗り物です。
車内で毛が抜け、そこから皮脂が繊維に移ります。時間が経つほど、毛から布へ移動します。
つまり、毛を取っても、皮脂は残ります。
座るたびに、直接移っている
毛を介さずに、体から直接シートへ移る分もあります。
犬猫の体は毛に覆われていますが、接触面では皮脂が押し出されます。人間が座るシートに皮脂が付くのと、原理は同じです。
酸化して、臭いが変わる
繊維に残った皮脂は、空気に触れて酸化します。
酸化すると、元の皮脂とは違う臭いになります。古い布団のような、こもった臭いになるのはこのためです。
そして、車内は高温になるので、酸化が速く進みます。
だから、順番はこうなる
1. 毛とフケを取る(乾いた状態で)
2. 皮脂を落とす(アルカリ性)
3. 尿があれば中和する(酸性)
4. 乾かす
5. 必要なら消臭剤
1だけで終わると、2が残ります。これが「毛を取ったのに臭う」の正体です。
7. 場所別の具体的なやり方
場所によって、道具も洗剤も変わります。
シートの座面と背もたれ
皮脂がいちばん移る場所です。
手順:
- ゴム手袋をはめた手で撫でて、毛を集める(静電気で集まります)
- ラバーブラシで、繊維に刺さった毛をかき出す
- 掃除機で吸う
- セスキ水を含ませたクロスで、叩き拭き
- 水拭きで回収
- 乾かす
布シートは、4〜5を2回繰り返すと違いが出ます。1回では表面をなでただけになります。
革シートにセスキは使わないでください。油分が抜けます。革用クリーナーを使い、保護クリームで戻します。
シートの隙間
毛、フケ、食べかすが溜まります。
シートを前後にスライドさせると、隙間が広がって手が入ります。細い隙間ノズルか、テープを巻いた割り箸で取ります。
シートレールの機構部に手を入れないでください。可動部なので危険です。
フロアマット
足裏から持ち込まれた尿と土が溜まる場所です。
外して、屋外で洗ってください。乾いた状態で叩いて砂を落としてから、水洗いします。
裏面まで乾かすこと。濡れたまま戻すと、その下でカビます。
荷室(ラゲッジ)
犬を乗せている場合、いちばん濃い場所です。
ケージやマットをどけて、その下を確認してください。抜け毛、フケ、こぼれた水が溜まっています。
トランクの床板を持ち上げて、下も見てください。スペアタイヤの格納部に水が溜まっていることがあります。
窓ガラス
鼻と口の跡が付いています。唾液と皮脂です。
水拭き→乾拭きで落ちます。落ちない場合は中性洗剤を薄めて。
窓を拭いたクロスは、他の場所に使わないでください。筋が残ります。
ドアの内張り
前足をかける場所です。皮脂と唾液、そして爪の跡。
セスキで拭けます。ドアポケットの底も確認してください。
エアコンフィルター
毛とフケを吸い込んでいます。
助手席のグローブボックスの奥にあります。取り出して、茶色く変色していたら交換してください。
活性炭入りを選ぶと、臭いも捕まえます。
8. 体質と種類による差
同じ犬種でも個体差がありますが、傾向はあります。
皮脂が多くなりやすい要素
- 脂漏性の体質
- 短毛でも皮脂が多い犬種がいる(毛の長さと皮脂量は別です)
- シニア(代謝の変化)
- 皮膚のトラブルがある場合
「短毛だから汚れない」ということはありません。むしろ短い毛は繊維に刺さりやすく、皮脂も移ります。
臭いが急に強くなった場合
体調の変化の可能性があります。
皮膚炎、外耳炎、歯周病。これらは体臭を強くします。
「最近、急に臭うようになった」という場合は、車の掃除の前に、動物病院で診てもらうことを検討してください。
車内をどれだけきれいにしても、供給源が体調にあるなら繰り返します。
車酔いする犬
よだれが大量に出ます。そして嘔吐することもあります。
乗車のたびに供給されるので、掃除の頻度が追いつかないという状態になりがちです。
乗車時間、食事のタイミング、休憩の取り方を見直すと、根本的に減ることがあります。獣医師に相談できる領域でもあります。
9. これ以上ためないために
落とすより、防ぐほうが簡単です。
効果が大きい順に
- 洗えるシートカバーかブランケットを敷く
いちばん確実です。皮脂と毛はカバーで止まり、カバーは洗濯機で洗えます。
2枚用意して洗い替えにすると、洗っている間も使えます。
- ケージ・キャリーを使う
接触範囲が限定されます。そして安全面でも推奨されます。急ブレーキのときにペットが飛ばされるのを防げます。
ケージの下にも防水マットを敷いてください。
- 乗る前にブラッシングする
車内で抜ける量が減ります。外でやれば、車に持ち込まずに済みます。
- 足を拭いてから乗せる
尿と土は、足裏から入ります。濡れタオルで拭くだけで変わります。
- 降りた後に換気する
閉め切ると、湿気と臭いがこもります。数分でいいので窓を開けてください。
- こまめに毛を取る
溜まってからより、その都度のほうが楽です。粘着ローラーを車に積んでおくと続きます。
10. 自分では、臭いに気づけません
飼っている人が、いちばん分かりません。
嗅覚は慣れる
同じ匂いを嗅ぎ続けると、感じなくなります。嗅覚順応といって、故障ではなく正常な仕組みです。
そして、ペットの匂いは家にもあります。家でも車でも同じ匂いに囲まれていれば、基準そのものが移動します。
「うちの車は臭くない」という感覚は、あてになりません。
確認する方法
タオルに移して嗅ぐのが確実です。
- 清潔なタオルを、シートの座面に押し当てます(30秒ほど、体重をかけて)
- ビニール袋に入れて、口を閉じます
- 10分ほど置いてから、開けて嗅ぎます
シートの中の匂いが濃縮されるので、車内で嗅ぐよりはっきり分かります。
座面用と荷室用で分けると、どちらが強いかも分かります。
人を乗せる予定があるなら
相手は言いません。
ペットの話は特にデリケートなので、気づいていても指摘されることはまずありません。
だから、自分で定期的に確認するしかありません。上のタオルの方法を、季節ごとにやってみてください。
11. 季節と使い方で変わること
夏
臭いがいちばん強く出る時期です。
高温で皮脂の酸化が速く進み、揮発量も増えます。そして車内は密閉されているので、乗り込んだ瞬間に濃く感じます。
逆に言えば、原因を見つけやすい時期でもあります。臭いが強く出ているうちに、場所を特定してください。
梅雨・湿度が高い時期
臭いが「戻ってくる」時期です。
乾いていた汚れが、湿気で再び立ち上がります。そして雑菌の活動も活発になります。
濡れた足で乗せない、濡れたタオルを置きっぱなしにしない。この2つで違います。
冬
窓を開けないので、こもります。
臭いの発生量は減りますが、換気の機会が減るぶん、車内の濃度は上がります。
暖房で乾燥するので、フケが増えるという面もあります。
長距離ドライブの後
乗車時間に比例して、供給される量が増えます。
そして、緊張や興奮が続くと、よだれと皮脂が増えます。
長距離の後は、その日のうちにブランケットを洗い、換気してください。翌日に持ち越すと、定着します。
12. 粗相してしまったときの応急処置
時間との勝負です。乾く前と後で、必要な作業がまったく変わります。
すぐにやること
手順1:固形物があれば、先に取り除く
濡らす前です。ビニール袋とヘラ代わりのもの(カード、割り箸)で、すくって捨てます。
擦らないでください。繊維の奥に押し込むことになります。
手順2:水分を吸わせる
ここがいちばん効きます。
乾いたタオルかキッチンペーパーを、押し当てます。拭くのではなく、体重をかけて5秒押す。持ち上げる。面を変える。また押す。
紙に色が付かなくなるまで繰り返してください。
この工程で回収できた分だけ、シートの内部に届く量が減ります。
手順3:少量の水で薄めて、また吸わせる
かける水は、吸い取れる量まで。びしょびしょにすると、汚れが下へ運ばれるだけです。
これを2〜3回。
手順4:尿なら重曹かクエン酸、便なら中性洗剤
粗相の直後なら、尿は弱酸性です。重曹水で中和します。
時間が経ってアンモニア臭がしている場合は、クエン酸に切り替えてください。
便は中性洗剤で。そのあと水拭きで回収します。
手順5:乾かす
ドアを開けて風を通してください。
やってはいけないこと
お湯を使う
尿にも便にもタンパク質が含まれています。熱で固まり、繊維に定着します。必ず常温の水で。
ドライヤーで乾かす
同じ理由です。風は当てても、熱は当てないでください。
消臭スプレーだけで済ませる
汚れが残っていれば、必ず戻ります。
キャリー・ケージの中で起きた場合
車内に漏れていないか、下も確認してください。
キャリーの底に溜まった液体が、隙間からシートやマットに落ちていることがあります。表面だけ拭いて終わると、後から臭い出します。
キャリーごと外に出して、車内側も確認してください。
13. どこまでが自分の範囲か
やってみた結果で判断できます。
| 結果 | 意味 | 次にやること |
|---|---|---|
| 毛を取って、セスキで拭いたら消えた | 表面の皮脂だった | 完了。予防へ |
| 弱くなるが、暑い日に戻る | 内部に入っている | 洗浄の検討 |
| アンモニア臭だけ残る | 尿が分解してアルカリ性に | クエン酸で範囲を広げて |
| エアコンから獣臭い | フィルターと内部 | エアコン側の対処 |
| 急に強くなった | 体調の可能性 | 動物病院で相談 |
| 何をしても変わらない | 発生源が特定できていない | 場所の切り分けから |
「暑い日に戻る」が意味すること
表面の皮脂は取れていて、シートの内部に入った分が残っているということです。
シートは、表皮の下にワディング(薄いウレタン)、その下に厚いクッションウレタンがあります。皮脂と唾液は、繰り返し座ることでこの層まで到達します。
上から拭く方法では、ここは回収できません。
洗浄液を入れて汚れを浮かせ、吸い出すという工程が必要になります。家庭にある道具では、この「吸い出す」ができません。
試して解決しなかったのは、失敗ではありません。「表面ではなかった」という切り分けができています。
14. 業者に頼むかどうかの判断
検討する価値がある状態
- 毛を取って拭いても、数日で戻る
- 尿の臭いが、範囲を広げても消えない
- 荷室やケージ周りに、長年蓄積している
- 売却や、人を乗せる予定がある
確認すること
- 洗浄液を入れて吸い出す工程があるか(拭き上げだけなら、自分でやるのと大差ありません)
- ペットがいることを伝えたうえで、使う薬剤が安全か
- 作業後、どのくらいで乾くのか
- 荷室・エアコンも対象か
2つ目を必ず伝えてください。作業後にペットが乗る車なので、残留する薬剤の種類が問題になります。
料金の考え方
クルピカ24は出張型で、基本の車内清掃に対してオプションが加算される形です。基本料金は車種区分(軽自動車・普通車・大型車)で変わります。
毛の量や、粗相の痕があるかどうかで、料金は変わりません。車種区分の基本料金です。
オプションを付ける場合だけ、そのぶんが加算されます。オゾン消臭は12,000円(税込)、シート脱着は1脚あたり11,000円(税込)です。付けるかどうかは選べます。
「ペットだから特殊清掃で追加」という料金の付け方はしていません。
オゾン消臭だけの依頼は承っていません。皮脂や尿が残ったままオゾンをかけても、臭いは戻りやすくなります。汚れを洗い出してから、残ったものに作用させる、という順番だからです。
ペット臭では、この順序がとくに重要です。エサが残っていれば、菌はまた増えます。
15. よくある質問
Q. 多頭飼いだと、やはり臭いは強くなりますか。
単純に、供給量が増えます。皮脂も毛も唾液も、頭数分です。
掃除の頻度を上げるより、受け止める側を用意するほうが現実的です。洗えるカバーやブランケットを敷いて、そのつど洗うほうが、シート本体への蓄積を抑えられます。
Q. トリミング直後なのに臭います。
車内側に蓄積した分が残っているからです。
ペットをきれいにしても、シートに移った皮脂は残ります。むしろ、きれいなペットが汚れたシートに座ると、そこから匂いをもらいます。
ペットと車内、両方をやらないと揃いません。
Q. 毛を全部取れば臭いは消えますか。
消えません。臭いの元は毛ではなく、毛に付いた皮脂と、布に移った皮脂です。毛を取るのは第一段階で、そのあとに皮脂を落とす工程が要ります。
Q. ペット用の消臭剤を使っていますが、効きません。
発生源が残っている可能性があります。消臭剤は空気中の臭いには作用しますが、シートに蓄積した皮脂には届きません。
掃除をしてから使うのが正しい順序です。
Q. 重曹をシートに撒いてもいいですか。
皮脂には効きますが、粒が残ってペットが舐めるという問題があります。撒くより、重曹水にして拭くほうが安全です。
そしてアンモニア臭が出ている尿には効きません(同じアルカリ性なので中和しない)。ただし粗相の直後なら、尿は弱酸性なので重曹が合います。
撒くより、セスキ水で拭くほうが安全で効果的です。
Q. 猫の尿の臭いが取れません。
猫の尿は濃度が高く、成分も特殊です。アンモニア臭が出ているならクエン酸、直後なら重曹水で、見えている範囲より広めに処理してください。
染み込んだ量が多い場合、家庭では届かないことがあります。
Q. アロマや芳香剤を使ってもいいですか。
特に猫がいる場合は避けてください。猫は一部の精油成分を代謝しにくいことが知られています。
「天然由来」と書かれていても安全とは限りません。成分表示を確認し、心配なら獣医師に相談してください。
Q. 除菌スプレーは使えますか。
成分によります。塩素系とフェノール類は避けてください。車内では十分にすすげないため、残留します。
Q. 急に臭いが強くなりました。
ペットの体調の可能性があります。皮膚炎、外耳炎、歯周病は体臭を強くします。車の掃除より先に、動物病院で相談することを検討してください。
Q. 車酔いでよだれが多い犬です。
乗車のたびに供給されるので、掃除が追いつきません。
シートカバーとブランケットで受け止めて、そのつど洗うのが現実的です。乗車時間や食事のタイミングは、獣医師に相談できる領域です。
Q. エアコンから獣臭がします。
毛とフケがフィルターに溜まっています。まずフィルターを交換してください。それでも残るなら、内部に入っています。
Q. シートカバーは意味がありますか。
大きな効果があります。皮脂と毛がカバーで止まるので、シート本体への蓄積が減ります。洗濯機で洗えるものを、2枚用意して洗い替えにしてください。
16. まとめ
- けもの臭の正体は毛ではなく、皮脂・唾液・尿です
- 犬は皮脂、猫は唾液と尿が中心になりやすい
- 皮脂にはアルカリ性(セスキ)。尿は直後なら重曹、アンモニア臭が出てからはクエン酸
- 1種類の洗剤で全部は落ちません
- 毛を取ってから、皮脂を落とす。この順番です
- ペットが舐める場所なので、精油・塩素系・強アルカリは避けてください
- 洗剤を使ったら、水拭きでの回収を丁寧に
- 荷室とケージの下は、いちばん濃くなりやすい場所です
- 急に臭いが強くなったら、体調の可能性があります。皮膚炎、外耳炎、歯周病は体臭を強くします
- 自分では臭いに気づけません。タオルに移して、袋に入れて嗅いでください
- 暑い日に戻るなら、シートの内部に入っています
「ペット用」と書かれた製品を試し続けるより、何が臭っているかを決めるほうが早く解決します。皮脂なのか、尿なのか。それだけで使うものが決まります。
そして、毛を取って、セスキで拭いて、それでも暑い日に戻る。そういう状態であれば、上から拭く方法では届きません。繰り返し座ることで、シートの内部まで入っています。
クルピカ24は出張型の車内クリーニング業者です。洗浄液を入れて汚れを浮かせ、汚水ごと吸い出す方法で作業しています。ペットが乗る車であることを事前にお伝えください。作業後にペットが舐める場所なので、そこを踏まえた作業内容をご相談できます。
毛の取り方や、エアコン側が原因の場合については、こちらもあわせてご覧ください。