車内清掃の「特殊清掃」とは|業者で中身が違う理由と確認する3つ

見積もりを取ったら、「特殊清掃」という項目が入っていた。

あるいは、業者のサイトに「嘔吐の場合は特殊清掃扱いとなります」と書いてあった。

いくら増えるのか、そもそも自分の車がそれに当たるのかが、分からない。

この記事は、その状態の方に向けて書いています。

先に、いちばん大事なことを書きます。

「特殊清掃」という言葉に、業界で決まった定義はありません。

同じ汚れでも、ある業者では「特殊清掃」になり、別の業者では「通常の清掃」で終わります。

だから、「特殊清掃 いくら」で調べても答えが出ません。業者ごとに、指しているものが違うからです。

そして、ここが実務上いちばん困るところですが、金額を並べても比べられません。

この記事では、なぜそうなっているのかを説明したうえで、何を聞けば比べられるようになるかを書きます。

1. 「特殊清掃」には、決まった定義がありません

まず、言葉の出どころを整理します。

もともとは、別の業界の言葉です

「特殊清掃」は、車内清掃の言葉ではありません。

もともとは、事故や孤独死のあった住居を原状回復する仕事を指す言葉として使われてきました。専門の資格や、専用の薬剤・機材が要る領域です。

それが、車内清掃の見積もりにも使われるようになりました。

ただし、車内清掃で使われる場合、住居のそれとは中身が違います。同じ言葉が、別のものを指しています。

だから、業者ごとに範囲が違います

定義が無いということは、各社が自由に決めているということです。

  • 嘔吐があれば特殊清掃、とする業者
  • ペットの粗相があれば特殊清掃、とする業者
  • 時間が経って染み込んでいれば特殊清掃、とする業者
  • シートを外す必要があれば特殊清掃、とする業者
  • そもそもその区分を持っていない業者

あなたの車が「特殊清掃」に当たるかどうかは、どの業者に聞くかで変わります。

見積もりが比べられないのは、これが理由です

A社の「通常清掃 25,000円」と、B社の「特殊清掃込み 45,000円」を並べても、意味がありません。

A社が通常清掃でやる作業と、B社が特殊清掃と呼んでいる作業が、同じかどうか分からないからです。

言葉の下にある「何をするか」を見ないと、比較になりません。

「特殊」という言葉が、判断を止めます

もうひとつ、見落とされやすい点があります。

「特殊」と言われると、こちらが確認をやめてしまいます。

専門的なことのように聞こえるので、「そういうものか」と受け取ってしまう。

普通なら聞くはずの「何をするんですか」「いくらですか」を、飛ばしてしまいます。

同じ作業でも、「シートを洗います」と言われたら聞き返せますが、

「特殊清掃になります」と言われると、聞き返しにくくなります。

これは、言葉が持っている働きです。業者が意図しているかどうかとは別に、そうなります。

だから、この記事では「特殊清掃かどうか」を最初から脇に置きます。

聞くのは「何をするか」と「いくらか」だけです。

2. 業者は、何を基準に分けているのか

分け方は、大きく3つあります。そしてこの3つが混ざっているのが、話をややこしくしています。

① 汚れの種類で分ける

いちばん多い形です。

  • 嘔吐 … +いくら
  • ペットの粗相 … +いくら
  • タバコのヤニ … +いくら
  • 血液 … +いくら

料金表としては分かりやすく見えます。

ただし、後述するとおり、これがいちばん揉めます(第3章)。

② 汚れの状態で分ける

同じ嘔吐でも、状態で分ける形です。

  • 拭き取ってある → 通常
  • そのまま残っている → 追加
  • 時間が経って乾いている → 追加

これは作業量に直結しているので、理屈が通っています。

取り除く作業が、清掃とは別に発生するからです。

③ 作業の内容で分ける

やることで分ける形です。

  • 表面を拭く → 通常
  • 繊維の中を洗って吸い出す → 通常
  • シートを外す → 追加
  • 内装を分解する → 追加

これも作業量に対応しています。

3つの違いを、表にすると

分け方何で決まるか事前に金額が出るか
① 汚れの種類業者が見て判定する出ません
② 汚れの状態見ないと分からないが、条件が明確条件を聞けば予測できます
③ 作業の内容こちらが何を頼むかで決まる出ます

①だけが、こちらの側で予測できません。

3. 「汚れの種類で分ける」が、いちばん揉めます

理由は3つあります。

理由1:判定するのが業者だから

「これは嘔吐の跡ですね。特殊清掃になります」

そう言われたとき、こちらに反論する材料がありません。

判定の基準が示されていないので、当たっているかどうかを確かめられません。

理由2:判定が当日になるから

電話やメールの段階では「見てみないと分かりません」と言われます。

そして当日、車の前で判定されます。

その場で「では結構です」と断るのは、心理的に難しい状況です。業者は現地まで来ており、こちらは時間を空けて待っていました。

この状態で提示される追加料金は、実質的に断りにくくなっています。

理由3:程度の線引きが無いから

「ひどい汚れ」「軽度の汚れ」に、数値の基準はありません。

同じ車を2社が見て、片方は通常、片方は特殊、ということが起こります。

だから、先に聞いておく必要があります

当日に判定される仕組みなら、当日までに聞いておくしかありません。

次の章が、その聞き方です。

4. 電話で確認する3つ

この3つを聞けば、比べられる状態になります。

① 「特殊清掃になるのは、どういう場合ですか」

基準を言葉にしてもらいます。

  • 答えられる … 基準があります。第2章の②か③の分け方です
  • 「見てみないと分かりません」で終わる … 当日に判定されます

「見てみないと」が悪いわけではありません。冠水した車のように、本当に見ないと分からないものもあります。

ただし、その場合は「当日いくらになる可能性があるか」まで聞いてください。

② 「その判定は、いつ、誰がしますか」

当日、現地の作業者が判定するのか。

事前に写真を送れば、その時点で決まるのか。

事前に決まるなら、写真を送ってください。それだけで当日の追加がなくなります。

③ 「特殊清掃になった場合、いくら増えますか」

上限を聞いてください。

  • 「◯◯円です」と即答できる … 金額が決まっています
  • 「汚れ具合によります」 … 上限が無いということです

上限が示されない見積もりは、比較の対象になりません。

聞き方のコツ

責める形にしないでください。

「特殊清掃って何ですか」「なんで金額が出ないんですか」と聞くと、身構えられます。

こう聞くと、答えが返ってきやすくなります。

「予算を決めておきたいので、上限を教えてもらえますか」

理由を先に言うと、business としての質問になります。

法人であれば「稟議に出すので」で通ります。

そして、この聞き方には副次的な効果があります。

「予算を決めたい」と言われた業者は、金額を確定させる方向で答えようとします。

曖昧なまま進めると、あとで断られると分かるからです。

メールで聞くと、記録が残ります

電話で聞いた内容は、当日に食い違うことがあります。

「そんなことは言っていない」となったとき、証拠がありません。

メールか、フォームの問い合わせで聞いておくと、返答が文字で残ります。

急いでいるときは電話で聞いて、そのあと「先ほど伺った内容の確認です」とメールを送る形でも構いません。

聞いたことを、そのまま並べる

3社に聞いたら、こう並びます。

基準判定のタイミング追加の上限
A社嘔吐・ペット・タバコで加算当日・現地汚れ具合による
B社そのまま残っている場合のみ加算事前(写真可)+22,000円
C社区分なし——

この形にして、はじめて比べられます。

金額だけを並べていたときには見えなかった差が出ます。

5. 「見ないと出せない」のは、分け方の問題です

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

「車内清掃は、見ないと金額が出せない」と思っている方が多いのですが、そうとは限りません。

汚れごとに値段を付けると、見ないと決まらなくなります

当たり前のことですが、見落とされます。

「嘔吐は+15,000円」という料金表を持っている業者は、

その車に嘔吐があるかどうかを判定しないと、金額を出せません。

判定するには、見るしかありません。

つまり、「見ないと出せない」のは、その業者が汚れの種類で分けているからです。

車のサイズで決めると、電話で決まります

一方、「軽自動車はいくら、普通車はいくら」という決め方なら、車種を聞くだけで金額が出ます。

汚れの種類を判定する必要がないからです。

同じ「車内清掃」でも、料金の作り方によって、事前に決まるかどうかが変わります。

どちらが良い、という話ではありません

汚れの種類で分けるのにも理屈はあります。手間のかかる作業に対して料金を設定するのは、公平とも言えます。

ただ、依頼する側から見ると、金額が読めません。

そして「読めない」ということは、比べられないということです。

どちらを選ぶかは、あなたが「先に総額を知りたいか」で決まります。

6. 「特殊清掃」と呼ばれやすい5つと、実際の作業

具体的に見たほうが早いので、よく該当するものを並べます。

どれも「特殊」な作業ではなく、作業量が増えるだけのものです。

① 嘔吐

いちばん多く「特殊清掃」に分類されます。

実際の作業は、繊維の中に入ったものを水で洗って吸い出し、乾かすことです。特別な機材が要るわけではありません。

作業量が変わるのは、次の場合です。

  • そのまま残っている(除去の作業が別に発生する)
  • 時間が経って乾いている(浮かせるのに時間がかかる)
  • シートの隙間やベルトの差込口に流れ込んでいる(届かせるために分解が要ることがある)

「嘔吐だから」ではなく、この3つのどれかで作業量が決まります。

② ペットの粗相・排泄物

尿は、繊維の奥まで到達します。そして乾いても成分が残ります。

作業は嘔吐と同じで、洗って吸い出すことです。

範囲が広くなりやすい(液体なので広がる)という違いはありますが、作業の種類は変わりません。

③ タバコのヤニ

これは、他の汚れと性質が違います。

ヤニは油分で、車内全体に付着します。シートだけでなく、天井、ガラス、内装のプラスチック、エアコンの内部まで回ります。

だから、シートだけ洗っても戻ります。

「特殊清掃」と呼ばれるかどうかにかかわらず、範囲を広げる必要がある汚れです。

タバコのヤニがどこに溜まるのか、天井が先に汚れる理由は、こちらに書いてあります。

→ 車のエアコンのタバコ臭の消し方|段階別の手順と、消えない理由

④ 血液

タンパク質なので、熱を加えると固まります。

作業自体は難しくありませんが、扱いに注意が要ります。手袋を使い、他の場所に広げないようにする、という手順の問題です。

量が多い場合や、事故によるものは、清掃業者ではなく別の相談先になることがあります。

⑤ カビ

表面に見えているものと、内部にあるものを分けて考えます。

表面だけなら拭き取れますが、湿気が残っていれば戻ります。

「カビだから特殊」ではなく、湿気の原因が残っているかどうかで、やることが変わります。

車内のカビについては、エアコン以外の発生源も含めて別の記事にまとめてあります。

→ 車のカビ臭さの取り方|エアコン以外の6つの発生源と探し方

共通していること

5つとも、「洗って、吸い出して、乾かす」という同じ作業です。

違うのは、範囲と、そこに到達できるかどうかだけです。

「特殊清掃」という言葉が指しているのは、たいていの場合「作業量が多い」という意味です。

7. 見積もりを取るときに、そろえること

同じ条件で聞かないと、比較になりません。

伝える内容をそろえる

3社に同じことを伝えてください。

伝えることなぜ必要か
車種(車名で)区分で料金が変わります。「普通車」と言わず車名を
何が、どこに嘔吐なのか飲み物なのか。シートか足元か
いつのことか時間が経つと作業が変わります
自分で何をしたか拭き取ったかどうかで、判定が変わることがあります
作業する場所自宅の駐車場か、コインパーキングか

写真を送れるなら、送ってください。言葉で説明するより正確で、事前に金額が決まる可能性が上がります。

「拭き取ったかどうか」は、実際に金額を左右します

汚れの状態で分ける業者の場合、これが直接効きます。

そのまま残っていると、取り除く作業が清掃とは別に発生します。

拭き取ってあれば、その分がかかりません。

嘔吐の場合の手順と、金額との関係は、別の記事に詳しく書いてあります。今から30分でやることが、あとの金額に効きます。

→ 車の嘔吐クリーニングの料金|拭き取った場合と、そのままの場合の差

総額で聞く

「基本料金はいくらですか」ではなく、「全部でいくらになりますか」と聞いてください。

基本料金だけを比べると、オプションと追加料金が見えません。

8. 当日に金額が動くのは、どんなときか

事前に決まっていても、当日に変わることはあります。

変わる理由が説明できるものと、できないものがあります。

説明がつくもの

状況なぜ変わるか
伝えていた範囲より、実際に汚れている範囲が広かった作業量が変わります
オプションを、その場で追加したこちらが頼んだものです
車種の区分が、聞いていたものと違ったミニバンを普通車と申告していた、など
吐いたものが、そのまま残っていた除去の作業が別に発生します

これらは、事前に条件を聞いておけば予測できます。

説明がつきにくいもの

  • 「思ったより汚れがひどいので」(基準が示されない)
  • 「この汚れは特殊清掃扱いです」(判定の根拠が示されない)

この2つが出たら、その場で根拠を聞いてください。

「事前にうかがっていた条件と、何が違いましたか」

答えられるなら、納得できる話です。

答えられないなら、事前の見積もりが正確でなかったということになります。

断ることはできます

作業前なら、断れます。

ただし、出張してきた分の費用を請求されるかどうかは、業者によります。

これも、事前に聞いておく項目です。

9. 自分でやっておくと、判定が変わることがあります

「特殊清掃」の判定が、状態で決まる業者の場合、こちらの行動で変わります。

変わるもの

やっておくことどう効くか
固形物を取り除く「そのまま残っている」に当たらなくなります
押し当てて吸い取る染み込む量が減ります
乾かすカビの発生を止められます
写真を撮っておく事前に判定してもらえる可能性が上がります

変わらないもの

なぜか
時間の経過戻せません。早く連絡するしかありません
染み込んだ深さ表面から取れる分には限りがあります
汚れの種類種類で分ける業者なら、何をしても変わりません

やりすぎないこと

きれいにしようとして、かえって状態を悪くすることがあります。

  • 擦る … 繊維の奥へ押し込みます
  • 水を大量にかける … 乾かなくなり、カビの原因になります
  • 熱いお湯を使う … タンパク質が固まります
  • 消臭剤を重ねる … 元が残ったまま香りが混ざります

取れる分を取って、乾かす。そこで止めるのが、いちばん安全です。

そして、自分で何をしたかを業者に伝えてください。

「市販品を試したが変わらなかった」は、切り分けの情報として役に立ちます。

10. 法人・社用車の場合

総額を先に確定したい、という事情があります。

稟議や予算取りがあるため、「当日いくらになるか分からない」では動けません。

先に確定できるかを聞く

「見積書を先にいただけますか」

「その金額で確定できますか」

汚れの種類で分ける業者の場合、確定は難しくなります。判定が当日になるためです。

車種で決めている業者なら、先に総額が出ます。

複数台のとき

同じ条件で全台まとめて出せるかを聞いてください。

1台ごとに判定される方式だと、合計額が読めません。

領収書・請求書

宛名、支払い方法(振込の可否)、発行のタイミングを、依頼の時点で伝えておいてください。

なお、支払った金額と違う額での発行は、どの業者でもできません。

11. クルピカ24の場合

この記事を書いているのは、出張型の車内クリーニングを行っているクルピカ24の運営会社です。

「特殊清掃」という区分を持っていません。

汚れの種類でも、量でも、料金は変わりません。

犬猫の毛、タバコのヤニ、嘔吐の痕、ペットの粗相。これらで加算することはしていません。

料金は車種区分で決まります。

車種区分料金(税込)
軽自動車25,000円
普通車30,000円
大型車35,000円

大型車には、ミニバン・大型SUV・ワンボックス・4tトラックまでが入ります。

ひとつだけ、状態による加算があります

吐いたものが、そのまま残っている場合です。

追加22,000円(税込)。除去の作業が、清掃とは別に発生するためです。

これは第2章の②(汚れの状態で分ける)に当たります。種類ではありません。

拭き取ってあれば、かかりません。

オプションは、選ぶものです

基本料金に足せます。付けるかどうかは選べます。

オプション料金(税込)
オゾン消臭12,000円
天井清掃10,000円
エバポレーター洗浄(エアコン内部の洗浄)35,000円
シート脱着11,000円/脚
防カビコート8,000円
チャイルドシート清掃5,500円

オプションだけのご依頼は承っていません。車内基本清掃とあわせてのご利用になります。

タバコ臭・ヤニの場合は、天井清掃とオゾン消臭が必要になります。ヤニは車内全体、特に天井に付着するため、基本清掃だけでは戻ります。普通車で 52,000円(税込)が基本の形です。

他にかかる費用

出張費・交通費・高速代は、すべて基本料金に含まれます。

別途かかるのは、コインパーキングで作業する場合の、作業車の駐車代だけです。お客様ご自身の駐車代ではありません。

全国47都道府県で対応しています。

「見る前に金額を出せる」のは、分け方の結果です

第5章に書いたとおりです。

汚れの種類で分けていないので、判定する必要がありません。

車名と、汚れた場所と、状態をうかがえば、総額をお伝えできます。

特別なことをしているわけではなく、料金の作り方がそうなっている、というだけです。

→ クルピカ24に相談する

12. よくある質問

Q. 「特殊清掃」と言われたら、断ったほうがいいですか?

A. そうとは限りません。基準が明確で、上限が示されているなら、正当な料金設定です。問題なのは、基準が示されないまま当日に判定される場合です。第4章の3つを聞いて、答えられるかどうかで判断してください。

Q. 資格を持った業者に頼んだほうがいいですか?

A. 車内清掃に、国家資格はありません。民間の認定はありますが、それが作業の質を保証するものではありません。資格の有無より、何をするか・いくらかを明確に説明できるかで見てください。

Q. 見積もりを3社から取るのは、失礼ではないですか?

A. 失礼ではありません。複数社に聞くのは普通のことです。ただし、同じ条件を伝えてください(第7章)。伝える内容が違うと、比べられない見積もりが3つ集まるだけになります。

Q. 電話で「だいたいいくら」と言われました。当日変わりますか?

A. 「だいたい」と言われた時点で、確定していません。変わる可能性があります。「この金額から増えることがあるとしたら、どういう場合ですか」と聞いてください。答えられるなら条件が決まっています。

Q. 高いほうが、きれいになりますか?

A. 金額と仕上がりは、必ずしも比例しません。高いのは、作業範囲が広いか、分解を伴うか、汚れの種類で加算されているかのどれかです。何にお金がかかっているのかを聞いてください。

Q. 「特殊清掃」の料金表を出している業者は、信用できませんか?

A. そうではありません。手間のかかる作業に料金を設定するのは、理屈としては通っています。ただし、依頼する側からは金額が読めません。先に総額を知りたいなら、その方式は向いていない、というだけです。

Q. 当日、その場で断れますか?

A. 作業前なら断れます。ただし、出張してきた分の費用を請求されるかは業者によります。これも事前に確認しておく項目です。

Q. 自分で拭いておいたほうがいいですか?

A. 状態で分ける業者なら、直接効きます。そのまま残っていると、除去の作業が別に発生します。ただし、中途半端に水を入れると乾かないまま時間が経つので、取れる分を取って乾かしておくのがいちばんです。

Q. 領収書を、実際より高い金額で出してもらえますか?

A. できません。支払った金額と違う額での発行は、どの業者でも受けられないはずです。

Q. サイトに「特殊清掃対応」と書いてある業者のほうが、技術がありますか?

A. そうとは限りません。第6章のとおり、実際の作業は「洗って、吸い出して、乾かす」で共通しています。「対応できる」と書いてあることと、料金が上がることは別の話です。技術を見るなら、何をどうやるかを説明できるかで判断してください。

Q. 見積もりが安すぎる業者は、避けたほうがいいですか?

A. 安い理由が2つあります。作業範囲が狭いか、あとから足されるかです。「この金額から増えることがあるとしたら、どういう場合ですか」と聞けば分かります。答えられるなら、範囲が狭いだけかもしれません。それが自分の目的に足りているなら、安いほうを選んで構いません。

Q. 「特殊清掃」でなければ、汚れは落ちないのでしょうか?

A. 言葉と結果は関係ありません。同じ作業を、片方は「特殊清掃」と呼び、片方は通常料金でやっています。落ちるかどうかは、汚れの深さと時間の経過で決まります。

Q. 保険を使う場合、「特殊清掃」だと通りにくいですか?

A. 保険が使えるかどうかは、加入内容と保険会社の判断によります。清掃の呼び方で決まるものではありません。見積書が必要になることが多いので、依頼のときに発行を頼んでください。

Q. 事前に写真を送っても「見ないと分からない」と言われました。

A. 本当に見ないと分からない場合もあります(冠水した車など)。ただし、通常の汚れでそう言われるなら、汚れの種類で判定する方式だからです。その場合は、上限だけでも聞いてください。

Q. 断ったら、出張費を請求されますか?

A. 業者によります。これも事前に確認する項目です。「見積もりだけで終わった場合、費用は発生しますか」と、依頼する前に聞いてください。

Q. 車の買取や下取りの前に、清掃したほうがいいですか?

A. 査定額との差は、こちらでは分かりません。ただ、臭いが残っていると印象に影響するとは言われます。清掃費用と査定の差額を比べて決めることになりますが、その差額を事前に知る方法はありません。

13. まとめ

「特殊清掃」について書いてきました。整理します。

  1. 「特殊清掃」に決まった定義はありません

もともと別の業界の言葉で、車内清掃では各社が自由に決めています。同じ汚れでも、業者によって扱いが変わります。

  1. 分け方は3つあり、混ざっています

汚れの種類・汚れの状態・作業の内容。このうち種類で分ける方式だけが、事前に金額を出せません。

  1. 「見ないと出せない」のは、分け方の結果です

汚れごとに値段を付けていると、判定しないと金額が決まりません。車のサイズで決めていれば、電話で決まります。

  1. 聞くのは3つです

基準/判定のタイミング/追加の上限。この3つを聞けば、金額を並べても意味のある比較になります。

  1. 上限が示されない見積もりは、比較の対象になりません

「汚れ具合によります」は、上限が無いということです。

  1. 同じ条件で聞いてください

車名、何がどこに、いつのことか、自分で何をしたか、作業場所。伝える内容が違えば、返ってくる金額も比べられません。

  1. 「特殊」という言葉に、判断を止められないでください

専門的に聞こえるので、普通なら聞くはずのことを飛ばしてしまいます。「シートを洗います」なら聞き返せるのに、「特殊清掃になります」だと聞き返しにくくなる。言葉が持っている働きです。

  1. 拭き取っておくと、判定が変わることがあります

状態で分ける業者なら、直接効きます。ただし、擦らない・水をかけすぎない。取れる分を取って乾かす、そこで止めてください。

最後にひとつ。

言葉ではなく、作業で聞いてください。

「特殊清掃ですか」ではなく、「何をしますか」。

「いくらですか」ではなく、「全部でいくらになりますか」。

この2つを変えるだけで、当日に金額が動く可能性がかなり減ります。

そして、答えられる業者かどうかも、その場で分かります。

料金がどう決まるのかを、作業の中身から知りたい方は、こちらにまとめてあります。同じ「シート清掃」が3つの別の作業を指している話です。

→ 車のシート清掃の料金の決まり方|自分で洗う場合との比べ方

車内の臭いや汚れについて、他の症状も見たい方はこちらから探せます。

→ 車内の臭いと汚れの情報(記事の一覧)

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