エアコンの臭いを自分で何とかしたくて、カー用品店に行った。
棚に何種類も並んでいて、どれを買えばいいか分からない。
吹き出し口に差し込むもの、細いホースが付いたもの、車内に置いて煙を出すもの。値段もばらばらです。
この記事は、そこで止まっている方に向けて書いています。
先に、いちばん大事なことを書きます。
種類によって、薬剤が届く場所が違います。そして車によっては、そもそも使えないタイプがあります。
買ってから「うちの車では無理だった」と気づくことがあります。
だから、買う前に確かめることから始めてください。確かめるのに道具は要りません。10分あれば終わります。
なお、エバポレーター洗浄(エアコン内部の洗浄)を業者に頼む場合の方式の違いは、別の記事にまとめてあります。
→ エバポレーター洗浄はどこで頼む|方式の違いと確認する4点
この記事は、自分でやる場合の話です。
1. 買う前に、自分の車で使えるか確かめる
これを先にやってください。買ってからでは遅いことがあります。
確かめること① エアコンフィルターがどこにあるか
多くの市販クリーナーは、エアコンフィルターを外した位置から薬剤を入れます。
そこがエバポレーターのすぐ手前だからです。
フィルターの場所は、車によって違います。よくあるのは次の3か所です。
| 場所 | 確認のしかた |
|---|---|
| グローブボックスの奥 | いちばん多い。中身を全部出して、箱ごと外す |
| 助手席の足元、ダッシュボードの下 | パネルを外す必要があることがある |
| ボンネットの中、フロントガラスの下 | 外から開けるタイプ |
取扱説明書に載っています。「エアコンフィルター」「クリーンフィルター」で探してください。
説明書が見当たらないなら、車種名とあわせて調べれば出てきます。
確かめること② 実際に外せるか、やってみる
場所が分かったら、一度外してみてください。
グローブボックスのタイプなら、多くは両側のツメを内側に押して、箱を手前に倒す構造です。工具は要らないことが多いです。
このとき、次の2つを見てください。
- 外したあとに、薬剤のノズルを差し込める隙間があるか
- フィルター自体が、どれくらい汚れているか
2つ目が重要です。フィルターが真っ黒なら、そこを替えるだけで臭いが変わることがあります(第5章)。
外せなかったら、そのタイプの製品は使えません。無理に外そうとしないでください。ツメが折れます。
確かめること③ ドレンホースの位置
エアコンは、動いているあいだ水を作ります。その水を車の外へ出す管が、ドレンホースです。
助手席側の足元あたり、車の下から出ている細いゴムの管です。エアコンを使ったあと、駐車場に水たまりができているのは、ここから出た水です。
なぜ確かめるのか。
洗浄剤を入れると、汚れと一緒にここから流れ出ます。ここが詰まっていると、行き場を失った水が車内側にあふれることがあります。
作業の前に、水がちゃんと出ているかを見ておいてください。エアコンをしばらく使って、車の下に水が落ちるかどうかで分かります。
2. 市販品の種類と、薬剤が届く場所
種類ごとに、作用する場所が違います。
| 種類 | どこから入れるか | 届く場所 |
|---|---|---|
| フィルター位置から入れる(細いノズル付き) | エアコンフィルターを外した奥 | エバポレーターの手前側の面 |
| 吹き出し口から入れる | ダッシュボードの送風口 | 吹き出し口とダクトの内側(エバポレーターには届きにくい) |
| ドレンホースから入れる | 車の下のドレン | エバポレーターの下側、受け皿のあたり |
| 車内に霧を充満させる(燻煙式) | 車内に置く。内気循環で吸わせる | 車内全体とダクト。エバポレーターの表面 |
エバポレーターそのものを狙うなら、フィルター位置から入れるタイプです。
吹き出し口から入れるタイプが役に立たないわけではありません。ダクトの内側にも汚れは付きます。ただ、エバポレーターが原因の臭いには、直接は効きません。
棚の前で、パッケージのどこを見るか
商品名からは、どのタイプか分かりません。似た名前が並んでいます。
次の3つを見てください。
① 細いノズルやホースが付いているか
写真か、箱の中身の絵に出ています。30センチほどの細い管が付いているなら、奥へ差し込むタイプです。
缶に短いノズルが直接付いているだけなら、吹き出し口用の可能性があります。
② 「エアコンフィルターを外して」と書かれているか
使用手順の欄を読んでください。
「エアコンフィルターを取り外し」「フィルター位置から」という記述があれば、狙っているのはエバポレーターです。
「送風口に」「吹き出し口から」なら、作用するのはダクト側です。
③ 使うときにエンジンをどうするか
ここは製品ごとに違うので、買う前に読んでおいてください。
「エンジンを停止した状態で」なのか、「送風で運転しながら」なのか。作業当日に慌てないために、先に確認しておくと楽です。
「エアコン洗浄」と書いてあっても、中身は違います
同じ「エアコン洗浄」「エアコン消臭」という言葉が、別のものに使われています。
- エバポレーターを洗うもの
- ダクトの内側を洗うもの
- 車内の空気の臭いを抑えるもの(消臭剤に近い)
3つ目は、洗っていません。臭いを一時的に抑える製品です。それが悪いわけではありませんが、目的が違います。
「消臭」とだけ書かれているものは、洗浄剤ではないことがあります。
燻煙式は、目的が少し違います
車内に霧を充満させるタイプは、車内全体を対象にしています。
シート、天井、ダクト、そして内気循環で吸わせればエアコンの内部にも入ります。
臭いの元がどこにあるか分からないときに、まとめて当てにいく製品です。
ただし、フィンの奥までは届きません。表面に触れる範囲までです。
3. なぜ「フィルターの位置から」なのか
空気の流れを知っておくと、製品の選び方が分かります。
車のエアコンは、こういう順序で空気を送っています。
外の空気(または車内の空気)
↓
エアコンフィルター
↓
エバポレーター(冷やすところ。ここで結露する)
↓
ヒーターコア(温めるところ)
↓
ブロアファン(送風機)
↓
ダクト
↓
吹き出し口
エバポレーターは、流れのかなり手前にあります。
フィルターを外した位置は、エバポレーターのすぐ手前です。だから、そこから入れると直接かかります。
吹き出し口は、流れのいちばん最後です。そこから入れると、風の流れに逆らって進むことになります。途中で止まります。
なぜエバポレーターだけが汚れるのか
常に濡れているからです。
エバポレーターは空気を冷やす部品で、冷たい面に空気が触れると水滴が付きます。冷えたコップの表面と同じです。
濡れていて、外の空気が通り、細かいホコリが集まる。カビが増える条件がそろっています。
そしてフィンは薄い金属板が何層にも重なった構造で、隙間が数ミリしかありません。手も、布も、入りません。
だから薬剤を使うことになります。
4. 実際の手順
フィルター位置から入れるタイプの、一般的な流れです。
製品ごとに手順が違います。必ず、その製品の説明書のとおりにやってください。以下は、何をすることになるのかを知っておくためのものです。
準備するもの
- 市販のエバポレータークリーナー(フィルター位置から入れるタイプ)
- 新しいエアコンフィルター(同時に替えるのが効率的です)
- 懐中電灯
- ウエス、古いタオル(垂れたものを受ける)
- 手袋
流れ
① エンジンを止めるか、送風にするか、説明書を確認する
ここが製品によって違います。エンジンを切った状態で入れるものと、送風を回しながら入れるものがあります。
逆にやると、薬剤が奥へ届く前に吹き飛ばされたり、逆に流れなかったりします。
② 窓を開ける
密閉した車内で薬剤を噴射しないでください。成分を吸い込みます。
③ エアコンフィルターを外す
第1章で確かめた場所から外します。外した向きを覚えておいてください。風の向きが決まっているので、逆に入れると効きが落ちます。
④ ノズルを差し込んで、噴射する
奥に見えるのがエバポレーターです。懐中電灯で照らすと、細かいフィンが見えます。
一点に集中させず、動かしながら全体にかけてください。
⑤ 説明書に書かれた時間、待つ
すぐに拭き取ろうとしないでください。汚れを浮かせるための時間です。
⑥ 送風で乾かす
エアコン(冷房)ではなく、送風にしてください。冷房にすると、また結露します。
外気導入にして、窓を開けたまま、しばらく回します。
⑦ 新しいフィルターを入れる
古いフィルターを戻さないでください。せっかく洗っても、汚れたフィルターを通った空気が入ります。
⑧ 作業後もしばらく換気する
すぐに閉め切って乗らないでください。
5. 先にフィルターを替えるだけで済むことがあります
順序として、こちらが先です。
費用対効果がいちばん高い
エアコンフィルターは、外の空気を最初に受け止める部品です。
ホコリ、花粉、砂、虫、落ち葉のかけら。そういうものが、ずっとそこに溜まります。
そして、フィルター自体が湿ると、そこでカビが増えます。
臭いの元がフィルターにある場合、洗浄剤をいくら入れても変わりません。フィルターは洗うものではなく、替えるものです。
外してみたときの見分け方
第1章で外したフィルターを見てください。
- 全体が灰色や黒っぽくなっている … 交換の時期です
- 葉や虫が挟まっている … 同上
- 触ると湿っている … 臭いの元になっている可能性があります
- 表面に白い綿のようなものがある … カビの可能性があります
新品と並べると、色の違いがはっきり分かります。
交換の目安
1年、または走行1万kmが一般的な目安とされています。車種や使い方によって変わるので、取扱説明書の指定を確認してください。
交換自体は、多くの車で工具なしにできます。部品もカー用品店やインターネットで手に入ります。
「洗浄剤を買う前に、まずフィルターを替える」を試す価値は十分にあります。
交換のしかた(グローブボックスの奥にある場合)
いちばん多いタイプの流れです。車種によって違うので、説明書か、車種名で調べた手順を確認してからやってください。
① グローブボックスの中身を全部出す
書類も含めて空にしてください。倒したときに落ちます。
② グローブボックスを外す、または大きく倒す
多くの車は、箱の両側にあるツメを内側に押し込むと、箱が下まで倒れます。
片側ずつやってください。両側を同時に押そうとすると力が入りません。
ダンパー(開く角度を止めている棒)が付いている場合は、先にそれを外します。
③ フィルターのカバーを外す
箱の奥に、横長のふたがあります。ツメで止まっているか、スライドして外れます。
④ 古いフィルターを引き抜く
このとき、向きを確認してください。フィルターの枠に矢印が書かれていることが多いです。「AIR FLOW」や「↑UP」の表示です。
⑤ 新しいフィルターを、同じ向きで差し込む
矢印の向きを間違えると、効きが落ちます。古いフィルターと並べて、同じ向きにしてください。
⑥ 逆の順序で戻す
つまずきやすいところ
| つまずき | 対処 |
|---|---|
| ツメが固くて外れない | 無理に引かない。押す方向が違っていることが多い。手順を調べ直す |
| フィルターの向きが分からない | 古いほうに矢印がある。写真を撮ってから抜く |
| 戻すときに箱がはまらない | ダンパーやツメの位置がずれている。一度全部外してやり直す |
| フィルターのサイズが合わない | 車種と年式で違う。買う前に適合を確認する |
心配なら、抜く前に写真を撮っておいてください。戻すときに見返せます。
6. やってはいけないこと
失敗すると、直すのに費用がかかります。
電装部品に薬剤をかける
ダッシュボードの奥には配線やコンピューターが入っています。
ノズルの向きを確認せずに噴射しないでください。どこへ飛ぶか分からない状態で押さないこと。
ドレンが詰まったまま作業する
第1章の③です。
流れ出るはずのものが行き場を失うと、助手席の足元が濡れることがあります。
作業のあと、車の下に水が落ちているかを確認してください。
説明書と違う順序でやる
繰り返しになりますが、製品ごとに手順が違います。
インターネットで見た別の製品の手順を、自分が買った製品に当てはめないでください。エンジンをかけるかどうかだけでも、逆になっていることがあります。
効かないからと、続けて何度もやる
届かない場所には、何度やっても届きません。
そして薬剤を入れるということは、水分を足すということです。乾かす時間を取らずに繰り返すと、内部が濡れたままになります。
1回やって、判定して、それから考えてください(第7章)。
車内を閉め切って作業する
成分を吸い込みます。窓を開けて、作業後も換気してください。
小さなお子さんやペットを乗せたまま作業しないでください。
7. 作業後、効いたかどうかを判定する
やって終わりにしないでください。判定すると、次にやることが決まります。
いつ判定するか
作業直後は判定できません。
薬剤の香りが残っているので、臭いが消えたように感じます。これは薬剤の匂いで上書きされている状態です。
判定は、3日から1週間ほど経ってからです。
判定のしかた
一晩締め切って、翌朝いちばんにエアコンをつけてください。
そして、最初の10秒に出てくる空気の臭いを嗅いでください。
- 臭わない、または明らかに軽くなった … 効いています
- 変わらない … 届いていない場所に元があります
- 数日は良かったが、戻ってきた … 表面には効いたが、奥が残っています
「戻った」が意味すること
これがいちばん多い結果です。
表面の汚れは落ちたが、フィンの奥に残っていた分が、また表面に出てきたという状態です。
同じ製品をもう一度使っても、同じ結果になります。届く範囲が変わらないからです。
そして、この結果は無駄ではありません。
「表面を洗っても戻る」という情報は、次に何をすべきかを教えてくれます。業者に相談するとき、この経過をそのまま伝えてください。見立てが速くなります。
8. 市販品が届かない場所は、3つあります
構造上、どうしても届かないところがあります。
① フィンの奥
エバポレーターは、薄い金属板が何層にも重なっています。
スプレーが届くのは、手前側の面までです。奥のほうには、霧が入る前に手前で止まります。
そして、浮かせた汚れを吸い出す工程がありません。流れ落ちる分は落ちますが、奥に残った分はそのままです。
② ブロアファン
送風機の羽根です。エバポレーターの下流にあります。
羽根の一枚一枚に汚れが付きます。ここが汚れていると、洗浄した空気がここを通って臭いを拾います。
フィルター位置から入れる薬剤は、ここまでは届きません。
③ ダクトの内側
吹き出し口までの通り道です。
吹き出し口から入れるタイプは、ここに作用します。逆に言うと、そのタイプはここまでしか届きません。
つまり
市販品でできるのは、エバポレーターの手前側の面を洗うことです。
軽度であれば、それで十分に変わります。そして、変わらなかった場合は、上の3つのどれかに原因があります。
その場合、分解を伴う作業が必要になります。方式の違いは、こちらにまとめてあります。
→ エバポレーター洗浄後も臭いが残る原因|3つの洗浄方式の違い
9. そもそもエアコンが原因なのか、先に確かめる
ここを飛ばして洗浄剤を買う方が多いです。
臭いの元が内装側にある場合、エアコンを洗っても変わりません。
切り分ける方法
エアコンを切って、窓を開けて、しばらく走ってください。
- それでも臭う … 内装側に元があります。シート、カーペット、天井
- エアコンをつけたときだけ臭う … エアコン内部です
この確認に費用はかかりません。買う前にやってください。
詳しい見分け方は、こちらにあります。
→ 車のエアコンが最初だけ臭う原因|進行の4段階と自分で止める方法
両方が原因のこともあります
エアコンを洗って軽くなったが、完全には消えない。このとき、内装側にも元が残っていることがあります。
臭いは、片方だけを消しても、もう片方から供給され続けます。
10. 洗ったあと、また汚れるまでの時間を延ばす
洗浄は、元に戻す作業です。そのあと同じ使い方をすれば、また同じ状態に向かいます。
エバポレーターが汚れる条件は「濡れている」ことです(第3章)。濡れている時間を短くすれば、進み方が遅くなります。
降りる前に、送風にする
いちばん効いて、費用がかからない習慣です。
エアコン(冷房)を使っていると、エバポレーターは濡れています。そのまま車を降りて閉め切ると、濡れたまま密閉された状態が続きます。
降りる数分前に、A/Cを切って送風だけにしてください。風が当たることで、水分が飛びます。
ただし、真夏の炎天下で快適さを犠牲にしてまでやることではありません。できる日にやる、で十分です。
外気導入を使う
内気循環にしっぱなしにすると、車内の空気を回し続けます。
食べ物の匂い、汗、タバコ。それらを含んだ空気が、濡れたエバポレーターを何度も通ります。
渋滞やトンネルでは内気循環が必要です。そこを出たら外気導入に戻す、という使い方にしてください。
車内で食べたら、換気する
匂いの元が車内にあると、それがエアコンに吸われます。
エアコンの臭いの一部は、車内で発生したものが取り込まれた結果です。
長く乗らない期間があるとき
しばらく動かさない予定があるなら、その前に送風で乾かしてください。
濡れたまま数週間置くのは、いちばん条件が悪い状態です。
どれくらいで戻るか
確定した期間はお伝えできません。使い方、地域の湿度、駐車環境で変わります。
判断は、期間ではなく臭いでしてください。第7章の方法(朝いちばん、最初の10秒)で、定期的に確かめるのが確実です。
11. クルピカ24の場合
この記事を書いているのは、出張型の車内クリーニングを行っているクルピカ24の運営会社です。自社について正直に書きます。
エバポレーター洗浄(エアコン内部の洗浄)は、基本の車内清掃に加算されるオプションで、35,000円(税込)です。基本料金は車種区分(軽自動車・普通車・大型車)で変わります。
エバポレーター洗浄だけの単体依頼は承っていません。
臭いの元が内装側にもある場合、片方だけを洗っても供給が続くためです(第9章)。だから車内清掃と組み合わせる形にしています。
そして、対応できる提携業者は半分程度で、外車など対応できない場合があります。お住まいの地域と車種によっては、ご相談いただいてもお受けできないことがあります。
自分でやるほうが向いている場合
- 臭いが軽い。最近になって気になり始めた
- エアコンフィルターを長く替えていない
- 費用を抑えたい
この場合は、フィルター交換と市販剤から試してください。それで済むことがあります。
検討する価値がある場合
- 市販剤を試して、数日で戻った(第7章)
- 臭いが車内全体に回っている
- 中古車で、前のオーナーの臭いが取れない
- フィルターを替えても変わらない
12. よくある質問
Q. どの製品を買えばいいですか?
A. 商品名はここでは挙げませんが、選ぶ基準ははっきりしています。細いノズルが付いていて、エアコンフィルターの位置から入れるタイプを選んでください。パッケージに「フィルターを外して」と書かれているものです。吹き出し口に差し込むタイプは、エバポレーターには届きにくいものです。
Q. 作業にどれくらい時間がかかりますか?
A. フィルターを外して、噴射して、乾かすまでで1時間ほどです。ただし説明書で待ち時間が指定されていることが多いので、その分を見ておいてください。初めてフィルターを外す場合は、探す時間も加えてください。
Q. エンジンをかけたままでいいですか?
A. 製品によって違います。エンジンを切った状態で入れるものと、送風を回しながら入れるものがあります。必ずその製品の説明書を読んでください。逆にやると効きません。
Q. 洗浄したあと、すぐ乗れますか?
A. 送風で乾かして、換気してからにしてください。薬剤の成分が残っている状態で閉め切らないでください。時間の目安は製品に書かれています。
Q. フィルターも一緒に替えたほうがいいですか?
A. 替えてください。洗浄してから古いフィルターを戻すと、そこを通った空気が入ります。むしろフィルター交換を先に単独で試して、それで足りるかを見るのが順序としては良いです。
Q. 効かなかったら、もう一度やってもいいですか?
A. 同じ製品を繰り返しても、届く範囲は変わりません。そして薬剤を入れるたびに水分が増えます。1回やって、3日から1週間で判定して、戻るようなら別の手を考えてください。
Q. 燻煙式のものはどうですか?
A. 車内全体を対象にした製品です。臭いの元がどこか分からないときに、まとめて当てにいく使い方になります。エバポレーターのフィンの奥までは届きませんが、ダクトや内装の表面には作用します。
Q. ドレンホースから洗浄剤を入れる製品を見ました。
A. エバポレーターの下側、水が落ちる受け皿のあたりに作用します。そこに汚れが溜まっていることは実際にあります。ただし、ホースの位置を間違えると別の場所へ入れることになるので、位置を確認してから使ってください。
Q. 自分でやって、失敗することはありますか?
A. 多いのは、ツメを折る(フィルターを無理に外そうとした)、足元が濡れる(ドレンが詰まっていた)、効かない(届かないタイプを買った)の3つです。第1章の確認をやっておけば、最初の2つはかなり防げます。
Q. 業者に頼むと、何が違うのですか?
A. 分解の範囲が違います。市販品はエバポレーターの手前側の面までですが、分解を伴う作業なら奥やブロアファンにも届きます。業者によって作業の中身が3通りに分かれるので、頼む前に確認する点をまとめてあります。
→ エバポレーター洗浄はどこで頼む|方式の違いと確認する4点
Q. エアコンフィルターはどこで買えますか?
A. カー用品店、ホームセンター、インターネットで手に入ります。車種・年式・型式で適合が決まるので、買う前に確認してください。車検証に必要な情報が載っています。古いフィルターに品番が印字されていることもあるので、外したときに見ておくと確実です。
Q. フィルター交換を店に頼むのと、自分でやるのは何が違いますか?
A. やっていること自体は同じです。部品代に作業代が乗るかどうかの違いです。グローブボックスの奥にあるタイプなら、多くは工具なしでできます。ただし、外し方が特殊な車もあるので、一度やってみて難しければ頼んでください。無理に外してツメを折ると、そちらのほうが高くつきます。
Q. 洗浄したあと、エアコンの効きが悪くなった気がします。
A. 考えられることが2つあります。ひとつは、薬剤が乾ききっていない状態で使っていること。もうひとつは、フィルターの向きを逆に入れていることです。フィルターの矢印を確認してください。それでも改善しないなら、作業とは別の不具合の可能性があるので、整備の相談先へ。
Q. 冬でもやったほうがいいですか?
A. 臭いが出ているなら、季節は関係ありません。ただし、乾かす工程に送風を使うので、窓を開けて作業できる気温のほうがやりやすいです。臭いが気になり始めるのは冷房を使う季節が多いので、その手前で済ませておくと快適に使えます。
Q. 助手席の足元が濡れました。
A. ドレンが詰まっている可能性があります(第1章の③)。そのままにしないでください。濡れたカーペットは乾きにくく、そこからカビと臭いが出ます。ドレンの詰まりは整備の相談先へ。車内が濡れた場合の対処は、こちらにまとめてあります。
→ 車のフロアマットのカビ臭の原因|洗い方と、消えないときに見る場所
13. まとめ
自分でエバポレーターを洗う話を書いてきました。整理します。
- 買う前に、自分の車で使えるか確かめてください
エアコンフィルターの場所、外せるかどうか、ドレンの状態。この3つを確かめるのに、道具も費用も要りません。
- 種類によって、届く場所が違います
エバポレーターそのものを狙うなら、フィルター位置から入れるタイプです。吹き出し口から入れるタイプは、流れのいちばん下流に作用します。
- 先にフィルターを替えるだけで済むことがあります
費用対効果がいちばん高いのはここです。外してみて、汚れていたら、まず替えてください。
- 説明書のとおりにやってください
エンジンをかけるかどうかだけでも、製品によって逆になっています。別の製品の手順を当てはめないでください。
- 判定は、3日から1週間経ってから
作業直後は薬剤の香りで分かりません。一晩締め切った翌朝、最初の10秒の空気で判定してください。
- 戻ったなら、それは情報です
「表面を洗っても戻る」は、奥に原因があるということです。同じことを繰り返さず、次の手を考える材料にしてください。
最後にひとつ。
エアコンが原因かどうかを、先に確かめてください。
エアコンを切って窓を開けて走っても臭うなら、洗浄剤を買っても変わりません。費用をかける前に、この確認だけはやっておいてください。